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魔女について

魔女について、それぞれにまとめていますのでカテゴリーからご覧ください。

魔女について

魔女

魔女の歴史

かつて薬草の知識にたけ、野山や庭で薬草を摘みその薬効で人々を助けていた女たちがいました。彼女たちは『賢い女』と呼ばれ、人々に重宝されていました。

ところが、この『賢い女』たちが『魔女』というレッテルをはられ社会から排除された時代がありました。実際、『魔女』が使う恐ろしい毒薬と、『賢い女』が使う薬草には違いなどはありませんでした。

悪い薬草と、良い薬草があったわけでもありません。長い伝統と、知識を支えに、『賢い女』たちが、優れた薬を作っていたのです。

ですが、伝統と経験だけで作られた民間薬は危なっかしく呪術を用いる治療はキリスト教にとって悪しきものだったので、『賢い女』たちは反社会的なものとして、『魔女(悪しきもの)』の烙印を押されることとなったのです。

ヨーロッパでは、4月30日の夜、魔女たちが集まって悪魔と一緒に大騒ぎをするという言い伝えがあります。この夜のことを【ヴァルプルギスの夜】といい、集会地としては、ドイツ ハルツ地方のブロッケン山だと言われています。

【ヴァルプルギスの夜】とは、本来冬の魔を払い、春を迎える民間行事で北欧の神々の結婚式とも言われていましたが、キリスト教の導入によって、古代の神々は、冬の魔物とされ、その宴も、魔物を祭る魔女・悪魔の集会ということにされたのです。

今では、ハルツ地方44市町村が参加して、【ヴァルプルギスの夜を楽しむイベント】が開催され、魔女や悪魔の仮装をした人たちを観るために、10万人を超す観光客が訪れるようになっています。

16世紀に魔女狩りの嵐がドイツに吹き荒れると、多くの女たちが魔女として逮捕され、裁判にかけられ悪魔の情婦だと(よって悪しきものであると)証明させられました。

また、魔女は女性だけだと思っている方も多いかと思いますが、魔女狩りが激しかった時代には、男女・年齢・職業 関係なく薬剤師や医者、学者など知識のある者たちが次々処刑されて行ったのです。

魔女=薬草使い、というだけでは頼りないと思う方もいらっしゃるでしょう。魔法の杖があればいいのに…と言う人々の願望は果てがありません。

魔法と言えば、ハリーポッターが有名でしょうか。そのハリーポッターより3000年も前に、さらに強力な魔法の杖を持った人物がいました。十戒で有名なモーゼの兄のアロンが持っていた、魔法の杖です。

この杖は、ヤーウェイの神から、与えたれたもので、イスラエルの民の開放をエジプトのファラオに願ったとき、逆効果でさらに苦しめられた際、ファラオとエジプトの呪術師に対抗して、杖を大蛇に替え、ナイルの水を血に変え、国中をカエルだらけにしたりするほどの威力がある杖だったそうです。

ことここにいたってもエジプトのファラオは、イスラエルの民を許そうとしなかったためエジプトには10の災いが起こり、ファラオの息子も死にいたることとなって初めてイスラエルの民がエジプトから出ることを認めた…と言うのが、出エジプト記に記されていますが、それはまた別のお話し。

この魔法の杖が、ヤーウェイの神から与えられているのを見ても、魔法使い(魔女)が、一概に【悪しきもの】ではないことは、お分かりいただけるのではないかと思います。

 

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魔女の毒

yadoku

魔女が扱う薬のほとんどは良薬でした。

彼女たちがそれを開発、研究してきたからこそ今の医学の発展があると言っても過言ではないかもしれません。

しかし、そんな薬の開発には表と裏があり、やはり「毒」となる薬も研究されていました。

毒とは・・・

生物の生命活動にとって、不都合を起こす物質の総称です。ただ、科学的にみた場合には、毒と薬は同じものである、と言えます。

英語では、毒すべてを含んでポイズン。動植物(微生物のそれを含む)の生物由来の毒をトキシン。さらにその中でも噛むもしくは刺す等により注入される毒をヴェノムと呼んでいます。

毒性学の基本的な考え方としては、ほとんどの物質には多かれ少なかれ毒性があるということになっています。

砂糖や塩でさえ、大量に摂取すれば危険であるけれども、普通これらは毒とは言いません。ネギやたまねぎに含まれる成分も猫や犬には有毒ですが、人間は摂食するに問題ない程度に体内で無毒化することができます。

通常「毒」と呼ばれるものは急性毒性あるいは慢性毒性を有する物をさします。有名なところではフグ毒でしょうか。『ふぐの毒力表』では、10g以下の摂食で死に至るものは猛毒、10g以下なら死に至らないものは強毒、100g以下でなら死に至らないものは弱毒として定義されています。

ちなみにふぐ毒を持っているふぐそのものは、通常、何の問題も無く生きていますが、それは毒が自然に蓄積した場合であり、高濃度のフグ毒にさらされれば、ふぐも中毒死するのです。

また、毒々しい色合いのカエルで、体表面に毒を有するヤドクガエル。

バトラコトキシン、ヒストリオニコトキシン、プミリオトキシンといった3種類の神経毒を持つ種が存在します。中でもモウドクフキヤガエルという種は名が示すように強烈な毒性を持っており全生物中最強の毒です。

人や動物はそれに触れるだけで絶命してしまいます。あまりにも毒性が強いので、毒と接触したペーパータオルに触れるだけで鶏や犬は死んでしまうとのこと。また、モウドクフキヤガエルの毒は1万匹のネズミもしくは2頭のゾウを殺せるほどだそうです。

これらの毒は生息地を同じくするアリやダニ等から摂取して貯蓄もしくは体内で変成されるため、人工飼育下でコオロギなど、食べる餌に毒の成分が含まれないものは無毒化されるそうです。

他にも毒を持つ生き物はたくさんいますが蛇などの毒は消化液が変化し専用の器官に蓄えられたものですので、こちらは人工飼育下でも餌により無毒化することは無いようです。

これらの毒の研究や開発に関わり、良薬を精製していった魔女、さらにはこの毒にあてられて黒い組織に飲み込まれていった魔女、様々な魔女の活躍でこんにちの私たちの日常は営まれているのです。

 

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魔女の毒(植物編)

毒きのこ

魔女が精製した「毒」は動物毒もありますが、基本は薬草ですから植物です。薬にもなり毒にもなる「魔女の毒」は、知っているから良薬になり、知っているから毒薬になります。

植物に含まれる毒成分は、【たまたま人間の役に立つ場合】があり、これはいわゆる薬草と言われています。

例えば、ナス科のベラドンナやチョウセンアサガオに含まれるアトロピンは副交感神経の作用を抑制したり、有機リン系中毒の治療にも用いられますが、普通に食すと食中毒を起こし、毎年事故のニュースが報告されています。

このような毒のあるキノコや植物は、誤って食べないように注意をしなければなりませんが、ヨーロッパの一部では毒キノコの缶詰が売られていたりします。

これは開缶後に、十分に毒抜きをしなければ中毒死する可能性があるそうです。

(シャグマアミガサタケ・・・フィンランドでは、高級店で提供されているとのこと)

普通のアミガサダケと同じような食感だそうですが、開缶後、十分に加熱しないと毒の成分は抜けず、加熱する際の蒸気にも毒の成分が混ざっているので、換気のよい場所で加熱しないと危険だと警告されています。

そうまでして、食べたいという欲求は、この飽食の時代が故なのでしょうか。

他方では、昔の飢饉の際の救耕作物としても知られるヒガンバナも、毒草として有名です。

球根に、でんぷんを多く含むため、食料が無い時代には何とか食用にできないかと、試行錯誤の上、すりつぶし、灰汁(アク)と一緒に数時間煮て、さらに何度も水にさらしてアクと一緒に毒性成分を洗いながす、といった調理法を生み出したそうです。

生きるために、本来食べられないものも食べられるようにする。まさに魔女の魔法のなせる技といったところでしょうか☆

そして意外な所にも毒草はあります。

アジサイのお花は観賞用に良いですが、葉には毒があるんだそうです。

青酸配糖体を含んでいて、ウシ、ヤギ、ヒトなどが摂食すると中毒を起こします。症状は過呼吸、興奮、ふらつき歩行、痙攣、麻痺などを経て死亡する場合もあるとのこと。それほど毒性は強くないそうですが、シソの天ぷらの要領でアジサイの葉を食べてみよう、とか思った人はやめておいた方がいいですよ。

ちなみに、つぼみにも同じ成分が含まれているそうなので、綺麗だからとアジサイの花(実際は、ガクですね)を、そうめんに浮かべて~とか、ゼリーで固めてみよう~とかも、やめた方が良いようです。

さらに、有名な毒草として知られる、英名で「僧侶のフード」と呼ばれるトリカブトは、北半球の多くの部族によって使用されています。

インドのラダックでは野生のヤギを捕るために使い、中国では狩猟や戦争の道具として、そして北海道のアイヌ民族の場合は根や茎から抽出した毒を矢や仕掛け弓に用いて鹿やヒグマを捕っていました。また、各家庭ごとに独自の秘密レシピを持っていたそうです。

人や動物がトリカブトを大量摂取した場合はほぼ即死し、少ない量でも2~6時間で死に至ります。初期症状としては呼吸困難や嘔吐などが起こり、死因は心室細動もしくは心停止です。

これらを毒草としり、適切な対処をすることで、魔女は魔女として地位を与えられ、認められてきました。

それが魔女狩りという妄想、扇動、誘導により、多くの無実の犠牲を出してしまったことは悲しいことです。

しかし、今こそ魔女の功績と魅力をふたたびたたえてもいいのではないでしょうか?